趣意

数々の茶室は、中央に据えられた露地を中心に、四方を囲むように方形の構えを取っています。巧みに設えられたこの構成は、内に広がる静寂の領域と、外界に満ちる喧騒とを明確に隔て、都会のただ中にあっても、茶の湯の本懐のひとつである、思索と洗練のための聖なる空間を創り出すという精神を、見事に具現化したものといえるでしょう。

寄付き

寄付き「守貧庵」は、江戸時代の松江藩主であり、名高い大名茶人として知られる松平不昧公にちなんで名付けられました。

茶室に入る前に心を整えることが習わしとされているため、訪れる者はまずこの茶室に立ち寄り、選び抜かれた掛物に思いを巡らせながら、静かな時を過ごします。この席では、心身を整え本席への期待を膨らませる大切な準備をし、亭主側の迎えを待つ場所です。

建築の遺産

それぞれの茶室は、単なる建築の再現にとどまらず、その意匠は異なる時代の茶人たちの知恵と美意識を現代に伝える生きた稽古場として機能しています。

この茶寮は、文化を伝え、心を磨く空間を生み出す伝統的な日本建築の力が、時を経てもなお揺るがないことを示す証として存在しています。